兵庫県立大学異分野融合若手研究者Science & Technology クラブ(略称:STクラブ)では、異分野の若手研究者が研究内容を紹介しあうとともに、企業関係者を含め自由闊達な意見交換を行い、学部・研究科を越えて交流・連携を促進する場を提供している。STクラブをきっかけに異分野の研究者と連携し競争的資金を獲得した例や企業との共同研究を実施した例もある。
第40回異分野融合STクラブ開催(2021/11/26)
兵庫県に発出されていました緊急事態宣言が解除されたことを受け、延期していました標記のSTクラブを下記の要領で開催いたします。緊急事態宣言は解除されましたが、引き続きCOVID-19対策を行い実施しますのでご協力お願い申し上げます。 日時 2021年11月26日(金)18:30~20:30 場所 じばさんびる 601会議室(これまでは501会議室でしたが今回は601会議室 です。) http://www.jibasan.or.jp/conference/access.html 内容 18:30~18:35 1.開会の挨拶 産学連携・研究推進機構 副機構長長 豊田紀章 先生 18:35~18:40 2.学長挨拶 太田 勲 先生 3. 研究発表 発表時間(各テーマ トーク20分、Q&Aを含む討議15分…合計35分 討議に時間をかけているのも本STクラブの特徴です。) 18:40~19:15 (1)発表者:工学研究科電気物性工学専攻 教授 中村龍哉先生 テーマ:高性能の二次電池の実現に向けて 概要:持続可能な社会を実現するためのキーデバイスが高性能な二次電池である。リチウムイオン電池はその誕生から今日まで、世界中でその性能向上のための研究がなされ、エネルギ-密度、出力密度、長寿命、安全性は格段に進歩してきている。これらの性能、特にエネルギ-密度と長寿命・安全性を兼ね備えた二次電池を実現することが究極の目標である。 ①高エネルギ-密度電池を実現するための手法として、高電圧動作可能な正極材料を研究対象とした。低温磁性をプロ-ブに用いた探索とその場X線観察を用いた充放電機構の研究結果を紹介、この高電圧正極を異なる負極と組み合わせた電池の性能を紹介する。 ②JST-ALCAプロジェクトにおいて取り組んでいる究極の二次電池と考えられる酸化物型全固体二次電池についての基礎研究も紹介する。 19:15~19:50 (2)発表者:環境人間学部 教授 大橋瑞江先生 テーマ:森林生態系の地下部における炭素動態の研究 概要:森林は陸域で最も生物多様性が高い生態系であり、それによって様々な公益的機能を発揮して人間社会に貢献している。これらの公益的機能の発揮メカニズムには、個々の生態系特有の物質循環が深く関わっている。森林の物質循環は、地上部だけでなく目に見えない地下部でも生じており、土壌動物・微生物、樹木の根系などの生物活動が様々な物質の動態を駆動して養分供給や炭素の貯留といった機能を生んでいる。しかしながら地上部に比べて、地下部における物質循環過程の理解は浅く、森林の公益的機能の発現メカニズムは未だ不明な部分が多い。そこで私は、森林地下部の炭素動態とそれをもたらす生物活動に関する研究に長年、携わってきた。 本講演では、マレーシア熱帯多雨林、日本の暖温帯林、フィンランド北方林、の3つのフィールドで実施してきた研究成果を紹介したい。 19:50~20:25 (3)発表者:高度産業科学技術研究所 准教授 中西康次先生 テーマ:軟X線吸収分光を用いた蓄電デバイス軽元素成分の動作中反応機構解析 概要:リチウムイオン二次電池(LIB)をはじめとする蓄電デバイスの充放電反応を観察するため、これまで放射光を用いた解析が多数実施されてきた。硬X線を用いたX線吸収分光(XAS)では充放電動作中LIB電極の主反応元素と考えられる遷移金属の酸化/還元反応を観察可能で、電荷補償機構解明のための重要な知見を数多くもたらした。次世代型LIB、革新型蓄電池と呼ばれる新規蓄電デバイス材料ではこの電荷補償元素の主が軽元素であることが多く、これを観察するためには軟X線XASの利用が必須である。しかし、軟X線は低透過能のため、電極観察のために蓄電池セルの解体や高真空中での測定環境を強いられるなど、動作中の蓄電池を解析することは困難であった。そこで、この状況を打破するため、NewSUBARU BL05に軟X線XASによる動作中解析が可能なシステムを構築した。本会ではこれを用いた次世代型LIB電極の動作中解析について報告する。 20:25~20:30 4.閉会の挨拶 平野正幸 副理事長 【COVID-19対策】 1.発熱、咳等風邪の症状がある方および過去1か月以内に海外渡航歴のある方については、参加をご遠慮願います。 2.飲食の準備は行いません。お茶等ソフトドリンクの持ち込みは可です。 3.会場及び定員の件 ・ソーシャルディスタンス確保のためx印のテーブル・椅子には着席しないで下さい。 ・参加者は申込先着35名に制限させていただきます。 ・マイク等は事前に消毒液で消毒します。 4.参加者の入室時の対応 ・参加者は全員マスクを着用して下さい。(忘れて来られた方にはマスクを配布します。) ・会場入口に用意しています消毒液による手指の消毒を実施した後に入室して下さい。 ・非接触式体温計により全員を検温します。検温の結果が37.5℃以上の場合には、参加をご遠慮願います。
過去のSTクラブ開催内容
第36回(令和2年9月28日開催)・・・当初令和2年3月25日開催予定であったがCOVID-19対策で延期した。
発表者・発表テーマ
発表者 | 発表テーマ |
工学研究科 准教授 堀田育志 | 生体を模倣した制御システム |
西はりま天文台 准教授 本田敏志 | 星の高分散分光観測で探る宇宙の元素合成と化学進化 |
工学研究科 助教 岡井大祐 | 鉄の集合組織制御 |
第37回(令和2年11月25日開催)
発表者・発表ーマ
発表者 | 発表テーマ |
工学研究科 准教授 町田幸大 | 新型コロナウイルス増殖阻害剤開発にむけて |
シミュレーション学研究科 准教授 井上寛康 | 大規模サプライチェーンシミュレーションによる新型コロナウイルス の経済的影響の推計 |
環境人間学部 准教授 中桐斉之 | 新型コロナウイルスの感染拡大機構の数理モデルによる解明 |